【書評】独立する公認会計士のための税理士実務100の心得

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なんとタイムリーな本なんでしょうか。まさに自分にドンピシャの本だと思って、存在を知ってからすぐに買って読みました。

簡単に内容を説明しますと、第Ⅰ章から第Ⅳ章までの4つのパートで以下のような開業税理士にとって必要な情報が100項目にまとめられた本となっています。

  • 税理士登録から開業までの手続き・注意点
  • 税理士法や綱紀に関するルール・制限
  • 税務の基本的な知識や実務のコツ
  • クライアントとの関係構築や業務範囲の明確化

また、各項目は見開き2ページのコンパクトな文章で構成されており、読みやすく要点がまとめられています。

第Ⅰ章 登録・開業編

この章では、税理士としてのキャリアをスタートさせるための基本的なステップと注意点について解説されています。

税理士としての登録を早めに行うことの重要性や、登録前には「税理士」と名乗らないこと、無料の税務相談を避けることなど、初見で税理士登録をする会計士が陥りやすいトラップを避けるためのアドバイスが詳しく説明されています。

また、事務所選びの注意点や使用するソフトウェアの選定方法など、開業に必要な具体的なステップも網羅されています。

第Ⅱ章 税理士法・綱紀編

この章では、税理士としての業務を遂行する上での法的・倫理的な制約や義務についてのガイドラインが解説されています。

ダブルフランチャイズや名義貸しといった違法行為のリスクや、アウトソーシングの問題点、テレワーク時のルールなど、開業すると直面する可能性のある問題について具体的なアドバイスが豊富に含まれています。

第Ⅲ章 税務編

この章では、税務に関する実務的な知識とスキルを深めるための具体的なヒントやアドバイスが解説されています。

税務は会計と違って自分の理論が必ずしも通用しないことや、数字の取り扱い方、年間スケジュールの感覚の獲得方法など、税務業務の日常において重要なポイントが詳しく解説されています。

また、電子申告やマイナンバーの取り扱い、消費税に関する注意点など、最新の税務トピックスに関する情報も網羅されています。

第Ⅳ章 クライアント編

この章では、税理士としての業務の中心であるクライアントとの関係性を築くための具体的なアドバイスやヒントが解説されています。

契約書の取り交わしや報酬の取り決め、クライアントからの情報提供の取り扱い方法など、クライアントとのスムーズなコミュニケーションを実現するための実践的なアドバイスが詳しく説明されています。

また、クライアントとのトラブルを避けるための具体的な方法や、業務範囲の明確化、独立性の維持方法など、長期的なクライアント関係を築くためのノウハウが豊富に含まれています。

まとめ

最後に、私が本書を読んだ感想ですが、主に税理士事務所等での修行を挟まずに税理士開業した公認会計士が陥りやすいポイントについてまとめられている本なので、そのような方にはぴったりだと思った反面、税理士事務所での実務経験を経て独立を考えている会計士にとっては当たり前だと思うことが多いかなという印象でした。

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