2025年5月11日 生成AI最新ニュース総まとめ

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はじめに

2025年5月も早くも2週目を迎え、生成AI業界では多くの重要な発表や進展がありました。今週のブログでは、主に5月に入ってから本日11日までの期間に発表された生成AI関連の最新ニュースを総まとめします。

Anthropicの「Integrations」と「Advanced Research」機能の発表

今週の最大のニュースの一つは、Anthropicが5月2日に発表した「Claude」の新機能「Integrations」と「Advanced Research」です。

「Integrations」は、Model Context Protocol(MCP)を拡張した機能で、ClaudeがWebアプリやデスクトップアプリを介してリモートMCPサーバーとシームレスに連携できるようになりました。この機能により、Jira、Confluence、Zapier、Cloudflare、Intercomなど10種類以上の主要業務ツールと直接連携が可能になりました。

特に注目すべきは、Zapierとの連携により、Claudeが何千ものアプリを事前構築されたワークフローを通じて接続できるようになった点です。これにより、HubSpotからの営業データの自動取得や、カレンダーを基にした会議概要の作成など、業務効率化に大きく貢献します。

一方、「Advanced Research」は既存のリサーチ機能を大幅に強化したもので、複雑な調査リクエストを小さな部分に分解し、Web、Google Workspace、さらに連携したアプリからの情報を基に、最大45分かけて包括的なレポートを作成します。これまでの5〜15分の調査時間が大幅に拡張され、より深い調査が可能になりました。

これらの新機能は、現在Max、Team、Enterpriseプランでベータ版として利用可能で、近くProプランでも提供開始予定です。また、通常のウェブ検索機能はすべてのClaude有料プランユーザーにグローバルで提供されるようになりました。

Metaの「Llama 4」APIの提供開始

4月5日に発表されたMetaの最新大規模言語モデル「Llama 4」について、4月29日からAPI経由での提供が開始されました。Llama 4は「Llama 4 Scout」と「Llama 4 Maverick」の2つのモデルが公開されており、Metaが現在開発中の2兆パラメーターの巨大LLM「Llama 4 Behemoth」を蒸留した「小型モデル」という位置づけです。

Llama 4 Scoutの最も注目すべき特徴は、業界最長の1000万トークンのコンテキストウィンドウで、約750万単語相当のテキストを一度に処理できます。これにより、大量のドキュメントや複雑なコードベースの分析が可能になりました。

また、Llama 4はMetaとしては初のネイティブマルチモーダルモデルであり、テキストと画像を自然に組み合わせて理解できるよう設計されています。医療現場でのX線画像分析や小売業での商品写真からの詳細な説明生成など、様々な実用例が期待されています。

4月29日以降、APIの提供開始によって、開発者やビジネスがこれらの機能をより簡単に自社のアプリケーションに組み込めるようになりました。

Anthropicの「Development Partner Program」の導入

Anthropicは5月1日、「Development Partner Program」を発表しました。このプログラムは、Claude Codeの利用者が将来のモデル改善に協力する代わりに、Claude 3.5 SonnetおよびClaude 3.7 Sonnetモデルの入力トークンを30%割引で利用できるというものです。

プログラムに参加すると、組織内のすべてのユーザーのClaude Codeセッションがサービス改善やモデルトレーニングなどの目的でAnthropicと共有されます。割引が適用されるのは入力トークンとキャッシュのread/writeのみで、出力トークンは対象外です。

このプログラムは2025年7月31日まで有効で、Claude Codeの開発をサポートしながら、コスト削減も実現できる点が注目されています。

その他の注目ニュース

  • NTTデータとOpenAIの戦略的提携: 5月1日より、NTTデータグループがOpenAIとグローバルを対象とした戦略的提携を開始。日本初のOpenAI販売代理店として、企業向けに包括的なOpenAI関連サービスを提供します。
  • Claude MaxプランでのClaude Code対応: AnthropicはClaudeの上位プランであるMaxプランでClaude Codeが利用可能になったことを発表。Web/アプリ版Claudeと同じ制限枠を共有しながら、コマンドラインからもClaudeを活用できるようになりました。
  • OpenAIのショッピング支援機能: 4月29日にリリースされたChatGPTの新機能により、製品の検索から比較、購入リンクまでをチャット内で完結できるようになりました。価格やレビューなどの情報も提供され、ユーザーのショッピング体験を向上させています。

まとめ

この1週間で見られた主要な進展から、生成AIの開発競争が一層激しさを増していることがわかります。特に、AIアシスタントの外部ツール連携機能の強化や、リサーチ能力の向上、マルチモーダル機能の実用化など、より実務に直結する機能の充実が目立ちました。

これらの新機能は、企業の業務効率化や意思決定支援において大きな価値をもたらすことが期待されます。今後もさらなる進化が続く生成AI市場の動向に、引き続き注目していきましょう。


本ブログ記事は、2025年5月11日時点の情報を基に作成しています。各サービスの詳細については、公式サイトでご確認ください。

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