独立後、仕事がある程度軌道に乗ってきたときには自分一人で使うマイクロ法人の設立を考えています。そこで、法人の設立形態をどうするのかが最初のポイントになりますので、形態別のメリット・デメリットについて整理したいと思います。
なお、株式会社、合同会社、合資会社、合同会社の4つの法人形態がありますが、この記事では多くの方が検討対象とする株式会社、合同会社の2つに焦点を絞って解説いたします。
株式会社と合同会社の違い
所有と経営の分離
制度上の細かい違いは多々ありますが、両者の根本的な違いは出資者と経営者が一体か否か?という点です。
株式会社は文字通り株式を発行して出資を募り、そのお金を元にして会社を運営していく会社形態です。そのため、経営者と株主の責任が分離しているという特徴があります。ただし、経営者と株主が同一人物であっても問題ありません。
一方、合同会社は株式会社とは異なり、出資者が直接経営に関与する(出資者=経営者)という特徴があります。そのため、合同会社では株主総会に相当する出資者の総会を設置する必要はありません。
なお、合同が嫌では出資者のことを「社員」と呼びますが、株式会社における「従業員」を意味するものではないため、用語には注意が必要です。
会社法上の主な相違点
少し細かいですが、会社法上の相違点について表にしてみました。
項目 | 株式会社 | 合同会社 |
---|---|---|
定款 | 作成・定款認証が必要 (会社法30条) | 作成は必要だが、認証は不要 (条文なし) |
出資者の責任 | 間接有限責任 (会社法104条) | 間接有限責任 (会社法580条2項) |
意思決定 | 株主総会 (会社法295条) | 全社員の過半数 (会社法590条2項、同591条) |
所有と経営 | 原則、分離 (会社法295条、同331条) | 原則、一体 (会社法590条1項、同591条) |
総会 | 定時株主総会が必要 (会社法296条) | 原則、不要 (条文なし) |
役員の任期 | 原則2年、最長10年 (会社法332条) | 任期なし (会社法607条) |
代表者 | 株主総会または取締役会で選任された代表取締役 (会社法349条) | 原則、全出資者が代表者 (会社法599条) |
決算公告 | 毎期必要 (会社法440条) | 不要 (条文なし) |
設立費用 | 約20万円~ | 約6万円~ |
メリットとデメリット
次に、それぞれのメリットとデメリットについてまとめてみます。
株式会社のメリット・デメリット
知名度が高い
あくまで世間一般のイメージの話ではありますが、合同会社と比較すると株式会社の方が知名度は高いと考えます。
資金調達が容易
株式を発行しての資金調達が可能である点が、株式会社形態のメリットです。将来的に機動的な資本政策を実施する予定がある場合には最初から株式会社にした方が良いでしょう。
設立コストが高い
設立手続きで最低でも20万円程度はかかってしまうため、6万円程度で設立できる合同会社と比べるとコストが高く、公証役場での定款認証が必要になる等手続きも煩雑です。
決算公告義務がある
毎事業年度ごとに決算公告の義務が生じるため、決算公告義務のない合同会社と比較すると事務負担が大きくなります。
合同会社のメリット・デメリット
合同会社のメリット・デメリットは株式会社の裏返しである面が多いです。
設立コストが安い
上記の通り、6万円程度で設立が可能です。
所有と経営が一致
原則として出資者と経営者は同一であるため、迅速な意思決定が可能です。
自由な組織設計
合同会社は定款自治(定款で一定程度自由に定めることができること)が広く認められており、自由な組織設計が可能です。
決算公告義務がない
株式会社では義務である決算公告が不要です。
知名度が低い
一般的な知名度ではやはり株式会社には劣ってしまいます。
資金調達方法が限定的
株式を用いた資金調達ができません。そのため、出資者による増資や融資が中心となります。
事業承継には注意が必要
社員がゼロになってしまうと合同会社は解散してしまうため、一人会社にする場合で事業承継リスクが有る場合には定款記載等の事前検討が必要になります。
結局どっちがいいの?
これまで株式会社と合同会社を比較してきました。
結局のところマイクロ法人として運営していくのならどちらが向いているか?という点ですが、以下の理由から個人的には合同会社を設立しようと考えています。
同じように迷っている方のご参考になれば幸いです!
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