PowerAppsが適した開発・適さない開発

Web developer

はじめに

普段仕事でPowerAppsを扱うことが多いのですが、通常のプログラミング言語と比べると敷居が低いと言われているローコード開発にも向き不向きがあります。

ということで、今日は私が普段感じているPowerAppsのメリット・デメリットについて書いてみようと思います。

PowerAppsのメリット

UI構築の容易さ

ドラッグアンドドロップ式のインターフェースを採用しているため、デザインセンスがなくても直感的にそれっぽいUIを構築できます。

短期間でのプロトタイプ開発

UI構築の容易さと関連する部分ですが、出来はさておき、PowerAppsはとりあえず迅速なプロトタイプ作成が可能です。そのため、ユーザーからのフィードバックを早期に反映させることができます。

Microsoftサービスとのシームレスな連携

Microsoftのエコシステム内で動作するため、他のPowerPlatformなどのMicrosoftサービスとの連携がスムーズです。特に普段からSharePointを使っている場合はデータの一元管理にも寄与すると思います。

PowerAppsのデリット

一方で、デメリットもあります。特に大規模なアプリケーションや複雑なビジネスプロセスを扱う際には大きな問題となることがあります。

大量のレコード処理の困難さ

2,000件問題を始めとし、大量のデータを扱うことには不向きです。あくまで小規模データを対象としたアプリを前提とした方が良いでしょう。

2,000件問題とは、Dataverse や SharePoint などから一度に最大 2,000 件のレコードしか取得できないというPowerAppsのデータ取得制限です。

同時編集不可

複数の開発者が同時にアプリケーションを編集することはできません。一人で開発する分には全く問題ありませんが、2人以上で分担して開発したいと思ってもできず、チームでの開発は難しいです。

バージョン管理の欠如

PowerAppsにはバージョン管理のシステムが組み込まれていないため、変更点を追跡することが困難です。特に開発期間が長期にわたるプロジェクトや複雑な開発が必要になる局面では問題となります。

おわりに

以上から、PowerAppsは小規模から中規模のプロジェクト、特にプロトタイピングや初期段階の開発に適していると言えますが、一方で大規模なデータセットの処理や複数人での開発、詳細なバージョン管理を必要とする場合には、他の開発ツールの選択を検討する価値があると思います。

これらの特性を踏まえて良いPowerAppsライフを送りましょう!

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